北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の期間中、国内では懸念されていたテロはなく、反対派デモも暴動に発展しなかった。日本開催のサミットでゲリラも初めてのゼロだった。イスラム過激派などの国際テロの脅威を踏まえ、「東京が主戦場」と2万1000人態勢で警戒した警視庁は、官民が協力するテロ対策が功を奏したと分析。一方、港での水際対策には課題も浮かび上がった。
■不審者情報徹底的に
「『よく燃える薬剤か』と問い合わせがあった」「ウサマ・ビンラーディン(容疑者)の写真を持っている人がいる」
サミット前、警視庁には多くの不審者情報が集まり、テロにつながる疑いがある二百数十件をしらみつぶしに捜査。「具体的なテロ計画や国際テロ組織『アルカーイダ』の拠点はない」(公安部幹部)と結論づけた。情報提供の多さは、薬局や宿泊施設などに協力を呼びかけた結果だった。
「治安責任を全うできた。関係機関をはじめ国民の協力も大きい」。警察庁の吉村博人長官はそう話す。
テロ対策はハード面の整備も進んだ。先月までに4100台の監視カメラを設置した東京メトロは今年度の設置予算だけで約13億円を負担した。
テロ対策に詳しい板橋功・公共政策調査会第1研究室長は「警察が『見せる警備』でテロを起こしにくい状況をつくり、交通機関なども対策をすべてやった印象」と指摘。東京都は招致を目指す2016年夏季五輪を視野に、テロリストと疑われる人物の写真を街頭のカメラから送信された映像と自動照合するシステムの開発も始めている。
今回、もっとも印象的だったのが『テロ対策に詳しい板橋功・公共政策調査会第1研究室長は「警察が『見せる警備』でテロを起こしにくい状況をつくり、交通機関なども対策をすべてやった印象」と指摘』
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