7月8日10時43分配信 毎日新聞
収穫期を迎えたサクランボの盗難事件が天童市など県内のサクランボ産地で相次いでいる。県警生活安全企画課によると、5日までの被害届件数は5件で、被害合計585キロ、総額182万5000円。毎年起こるサクランボの盗難だが、パトロールの徹底と、農家の人が摘み取っていると分かるように腕章を付けるぐらいしか対策がないのが現状だ。
JA山形中央会農業農政部は、サクランボが盗まれやすい理由が二つあるという。
一つは販売のしやすさだ。サクランボは農協を通さず、インターネットやチラシで農家が直接売る方法が確立しており、サクランボ農家なら盗品も簡単に売りさばける。天童市成生でサクランボ園を経営する男性(69)は18年前に全国にチラシ4000枚を配り販売網を作った。「特産地の強みを生かし個人で売れる」という。
もう一つは盗まれてもすぐには気付かれにくい点だ。園主は広い園地のすべてを常には見張れない。6月21日に天童市川原子の園地からサクランボ10キロを盗まれた園主の男性(67)は、18日午後5時ごろに確認したのが最後で、21日午後3時ごろに収穫しようとして初めて盗難に気づいた。チラシ4000枚を配った前述の男性は車でそれぞれ約5分離れた場所に園地を三つ持っている。ある園で作業している時には他の園は確認できない。「毎朝すべての園を見回るようにはしているが常に見張ることは不可能」という。「盗まれる不安は常にあるがどうすることもできない。盗む人の気が知れない」と憤る。
一方、天童署や農協によると、サクランボを夜間盗むのは難しいという。サクランボの木は葉が多く、実を軸ごともぎ取るには明るくなければ困難。夜間にライトをつければ怪しまれるためだ。犯人は、昼間、無人の園地で収穫を装い盗んでいる可能性が高いという。




